津波が来たらどうする?取るべき行動と必要な備えとは?
〜津波〜

津波が来たらどうする?
取るべき行動と必要な備えとは?

2011年3月11日の東日本大震災で津波による被害が大きかった要因は、津波に対する知識、危機意識が足りなかったことも関係していると言えます。

 

津波が、私たちが生活している町や家の庭まで押し寄せることは、そう多くあることではありません。

 

しかし頻繁にないことだからこそ、危機意識や避難についての知識は薄れてしまいやすいものです。

 

「もしも津波がこの辺りまで来たら…」ともしもの時をイメージし、避難する時の行動、あらかじめしておくべき備えはしっかりと確認しておきましょう。

 
 

【基本編】津波が来た時の行動

津波が来ることが分かったら、とにかくすぐ避難することを意識しましょう。

 

「家族を待った方が良いのかも…」

「一人で逃げるのは心細い…」

と避難するための判断に迷っていると、あっという間に津波は近くに到達します。

徒歩で避難を開始

少しでも安全な高台に行く

 

「つなみてんでんこ」という言葉がありますが、これは、「とにかく自分の命を優先して、てんでばらばらでもいいから近くの高台に逃げよう」という教訓を示します。

 

それくらい津波が近くにやってくるのは早いということです。ちょっとした迷いでも命取りになることを、忘れないようにしましょう。

 

津波が来た時車で避難してはいけない理由

津波が来た時は、絶対に「徒歩」で避難するようにしてください。

 

多くの人が車で避難しようとすると、道路にはすぐに渋滞が起き、すみやかな避難ができなくなります。実際に、東日本大震災では渋滞のせいで多くの人が逃げ遅れ、恐ろしい被害が出ました。

 

早めに避難を開始すれば、徒歩でも十分近くの高台に逃げることができます。

 

避難すべき「高台」とは?

津波が来た時は少しでも高いところに逃げるのが鉄則ですが、具体的には建物の何階に行けば安全なのか知っておくことも大切です。

 

東日本大震災の津波調査によれば、当時、助かった人が避難した階層の平均は2.9階です。これに対して亡くなった方は1.7階という平均になりました。

 

この調査を見ると、3階以上の場所に行くことが理想的であることが分かります。

 

しかしこのデータはあくまで目安であり、東日本大震災で観測された津波の最大の高さはビルの10階相当だと言います。

 

大津波が来る時は、とにかく高い場所を見つけて避難することを考えましょう。

 

避難してはいけない場所

津波が来た時は、以下の場所に近づいたり避難したりするのは避けるようにしましょう。

 

木造の建物 木造の建物は津波のパワーで倒壊しやすい

家が木造の場合は早めに避難する

川沿い 津波は河口から上流の方へ逆流するため、河口からかなり離れたところまで津波が遡上する恐れがある

 

避難が間に合わなそうな時の行動

避難が間に合わなそうな時、もしくは近くに高台がない時は、鉄筋コンクリートの建物のてっぺんまで避難するようにしましょう。

 

無理に高台まで行こうとすると途中で津波に巻き込まれる恐れがあります。自分のいる場所から高台までの距離、そして津波が到達する時間を冷静に判断して最善の選択をしましょう。

 

警報の種類を知る

津波の警報の種類は、津波の規模によって異なります。

 

警報の種類 予想される最大の高さ 予想される被害 取るべき行動
大津波警報
予想される最大の高さ

3m以上

予想される被害

・家屋が倒壊する

・人が津波に巻き込まれる

取るべき行動

川沿いや沿岸部から離れ、高台へただちに避難する

津波警報
予想される最大の高さ

1m以上、3m以下

予想される被害

・浸水被害が出る

・人が津波に巻き込まれる

取るべき行動

川沿いや沿岸部から離れ、高台へただちに避難する

津波注意報
予想される最大の高さ

20cm以上1m以下

予想される被害

・海にいる人が津波に巻き込まれる

・小型船舶が転覆する

取るべき行動

海の中にいる人は海から上がり、海岸から離れる

 

津波の情報を知る方法

津波が発生した時は、とにかく

 

  • 津波の高さはどれくらいなのか
  • 津波がいつ到達するのか
  • 警報(注意報)の解除はいつなのか

 

などの情報収集をすることが大切です。大津波の際はスマートフォンや携帯電話が使えない場合が多いため、自治体の防災行政無線をよく聞くようにしましょう。

 

また、道路の各地に設置してある電光掲示板には「津波注意」などの情報が書かれる場合があります。この表示はよく確認しておきましょう。

 

津波は小さな揺れでも発生する

津波は揺れの激しい地震が起きなければ発生しないイメージを持たれることも多いですが、時には小さな揺れでも大津波が発生することもあります。

 

明治時代に起きた三陸沖地震は、震度4程度の揺れでした。しかし大津波が陸まで押し寄せ、2万人もの人が亡くなるという大きな被害をもたらしました。

 

このため地震があった時は、常に津波が来るかもしれない危機感を強く持つことが大切になります。

 

津波が来てあわてないためにすぐできる備え

避難する際に大事なのは、津波が来てもあわてず、すべき行動を冷静に考えることです。

 

備えあれば憂いなしなので、日頃から注意できる「備え」はしっかりと用意しておきましょう。

ハザードマップを確認する

ハザードマップには、津波が来たらどこまでが危険なのか具体的に記されています。避難場所を確認しつつ、家や職場、スーパーなど、あらゆる場所にいた時のことを想定して避難のための行動をシミュレーションしましょう。

家族で危機意識や知識を共有する

津波に対する危機意識が薄ければ、その分自分自身を危険にさらす可能性が高まります。津波について知った情報は積極的に家族や知人同士で共有し合い、避難の時に取るべき行動、津波の特徴などをよく知っておきましょう。

携帯型のラジオを常備しておく

津波から身を守るために大事なのは、リアルタイムで得られる「情報」です。非常時は回線が混雑し、スマートフォンや携帯電話も使えなくなる可能性が高いため、携帯型のラジオがあるととても役立ちます。

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